研究検査科
研究検査科
臨床検査とは
臨床検査には患者さん由来のさまざまな検査材料(血液、尿、痰など)を、色々な試薬、道具、機器を使って測定する検体検査と、患者さん自身を直接計測する生理検査(心電図、脳波など)があります。臨床検査は、病気の診断・治療効果判定・治療経過観察・予後推定に役立てることができます。
臨床検査とは
臨床検査科は検査部長及び検査技師9名がその職務にあたり、近年の医療技術の進歩と業務の効率化に対応すべき専門性の高い検査を
をモットーに、迅速かつ正確なデータで、検査を受けられる患者様にとってより安全な、質の高い検査 成績を提供し、信頼され地域医療の中核となる検査室を構築することを目指しております。
検査内容
生化学検査
生化学検査は、体内の血液中に存在するさまざまな成分を自動分析装置で測定し診療支援のひとつとして行われる検査です。検査材料は、基本的に患者さんから採血した血液を遠心分離して得られた血清を用います。他に尿や胸水・髄液などの穿刺液を使って検査することもあります。
当検査科では以下の項目を測定しています。
- 肝・心臓機能
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主に酵素で、臓器や組織が破壊・障害されることで血液中に出てくるものを測定します。食事の影響はありませんが、過度の運動やアルコ-ルなどで影響うけたりする項目もあります。
AST ALT LD ALP r-GTP CHE CK ビリルビン など
- 膵臓機能
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糖分を分解する酵素で、膵炎やおたふくかぜで上昇したりします。
AMY など
- 腎臓機能
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腎臓は血液をきれいにして、尿の生成と排泄によって体をいつも同じ状態にする働きがあります。ここの項目ではこの濾過と排泄・再吸収の機能を中心に調べます。
UN クレアチニン 尿酸 など
- 電解質・微量元素
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電解質は体のバランスや体内の存在する水の状態pHに大事な項目です。また、微量元素は少ししか体内に存在しませんがきわめて体にとって重要な役割を果たします。
Na K Cl Ca P Fe など
- 脂質
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成人病の要因として脂質項目が関連して高い値だと動脈硬化や脂肪肝などの生活習慣病を引き起こします。それらを気をつけるためにも肥満や食べ過ぎている人は注意すべき項目です。
総コレステロ-ル HDLコレステロ-ル LDLコレステロ-ル 中性脂肪 など
- 栄養状態
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人にとって重要な栄養源である蛋白質、それを測定することで全身の栄養状態や術後の経過などを調べます。
総蛋白、アルブミン プレアルブミン レチノール結合タンパクなど
免疫・血清検査
抗原抗体反応(免疫反応)を原理とした検査を行なっています。
検査項目
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- 炎症マーカー
- 感染症検査
- 腫瘍マーカー
- 甲状腺マーカー
- 輸血検査
CRP
B型肝炎、C型肝炎など
CEA 大腸癌、胃癌、肺癌など
CA19-9 膵臓癌、胆道癌など
AFP 肝臓癌、肝硬変など
FT3、FT4、TSH
不規則抗体検査、交差適合試験など安全に輸血をするための検査
血液学検査
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血液は体重の約13分の1(約8%)を占め、そのうち約45%は赤血球・白血球・血小板などの有形成分であり、残りが血漿とよばれる無形成分です。左上の写真は当院で使用している血球計数装置です。数百μl(1mlの数分の1)の血液量で赤血球・白血球・血小板数、ヘモグロビン量、白血球分画などを測定することができます。これらを測定することによって、血液疾患の病態解析、診断、治療効果や経過観察などに役立てることができます。またこれらを測定することは、それ以外にも感染症、肝疾患、腎疾患、膠原病などのスクリーニング検査としても重要です。左下の写真は赤血球を背景に左からリンパ球、好酸球、好中球です。血液検査では血液の標本を作り、顕微鏡を使いこれら個々の細胞の形態や成熟度の観察も行います。
一方、血漿を使って行う凝固検査は手術前検査をはじめ、坑凝固療法の治療モニターとしても重要な検査です。
一般検査
一般検査では尿や便、また胸水や髄液の検査をします。検尿は最も基本的な臨床検査ですが、腎臓や膀胱等の病気や尿路感染症、糖尿病の診断に有用です。また便の検査は消化管からの出血や寄生虫症の診断に有用です。
細菌検査
喀痰、尿、便、膿、血液などを材料とし病原菌の検出、検出菌がどの抗生剤に効くか薬剤感受性試験を行い抗生剤が選択されます。発熱や局所の炎症などの兆候が見られ感染症が疑われる場合、培養検体を採取し起炎菌を確定し、投与する薬剤が選択されます。また治療効果にも役立てられます。最近注目されている院内感染菌(MRSA、VRE、セラチア菌、他)、食中毒の腸管感染症の検査にも努めています。
検査内容
- 一般細菌検査(検出菌 の確定、薬剤感受性試験)
- 坑酸菌検査(結核菌、非定型坑酸菌の検出、薬剤感受性試験)
- ウイルス抗原の検出(インフルエンザウイル ス、アデノウイルス、ロタウイルス、RSウイルス、ノロウイルス、ヒトメタニューモウイルス)
- 院内感染関連の環境検査
- 院内感染対策
病理・細胞診検査
病理組織検査
手術や生検(ファイバー・針など)等で採取された病変部の組織片をホルマリン等で固定し、ロウ(パラフィン)で包埋した後、3μ前後の厚さに薄切します。その切片をスライドグラスに貼り付け、さらに目的に合わせた染色液で色づけし顕微鏡で観察して診断します。
細胞診検査
生検(ファイバー・針など)で採取された細胞や喀痰、尿などの検体を直接スライドグラスに塗抹し、アルコール等で固定した後染色して細胞を観察・診断します。
- ※細胞診と組織検査の違い
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- 細胞診が個々の細胞を中心に観察するのに対し、組織検査は全体の構造を中心に観察します。
- 細胞診の方が被検者の負担が少なく検体の採取も比較的簡単です。
生理検査
Ⅰ. 心機能・循環器機能検査
- 心電図
- 負荷心電図
- エルゴメーター負荷試験
- ホルター心電図
- 動脈硬化の検査(ABI・PWV)
Ⅱ. 肺機能検査
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肺機能測定装置です。
喘息、塵肺症、肺気腫などの呼吸器疾患の場合に検査します。
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- 努力性肺活量
- 肺活量
- 残気量
- 肺拡散能力
- クロージングボリューム
- 呼吸抵抗
- 呼気ガス分析
Ⅲ. 超音波検査
- 心エコー検査
- 腹部エコー検査
Ⅳ. 脳・神経・筋機能検査
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脳波計です。
小児の熱性痙攣や失神発作や意識障害のある場合に検査します。
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- 脳波
- 聴性脳幹反応
- 視覚誘発電位
- 筋電図
- 誘発筋電図
Ⅴ.その他の生理検査
- 骨密度
- 聴力検査