令和元年度 国立病院機構南九州 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 587 107 42 25 29 77 312 381 181 25
当院は、小児と高齢の患者様とに大きく二分されています。
1.政策医療の推進
◆呼吸器疾患:肺癌、慢性呼吸器不全等を中心とした呼吸器疾患の診療における南九州地域の中核病院としての役割を担っています。
◆肺結核:鹿児島県内における拠点病院としての役割を担っています。多剤耐性結核専用病棟(20床)を有し、エイズを併発した結核患者の診療協力病院になっていましたが、令和2年3月末で廃止し、令和2年4月より結核患者収容モデル事業10床で運用することとなります。
◆神経・筋疾患:筋委縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病等の神経難病及び筋ジストロフィー(県下唯一の専門病棟80床を有す)診療において鹿児島県の基幹施設としての役割を担っています。
◆成育医療:厚生労働省の小児慢性疾患地方基幹施設になっています。脳性麻痺児の早期診断・早期治療(母子入院によるボイタ法・ボバースアプローチの実施)を推進しています。
◆重症心身障害児及び発達障害児の療育:専門病床135床を有し、入院中の学童児には隣接する県立加治木養護学校と協力して教育に当たっています。
2.病診連携の強化、地域医療への貢献
◆各種医療機器を備え、高度専門医療を提供します。
◆がん患者の終末医療としてポスピスの理念に基づいた援助を行います。
◆地域医療機関との連携を図り、積極的に紹介患者の受け入れを行います。
◆平成20年2月8日 地域がん診療拠点病院として指定を受け、令和元年7月1日からは地域がん診療病院として指定されています。 3.医療と福祉の連携に寄与
  神経・筋難病、発達障害等に関して、鹿児島県内の保健・医療・福祉及び教育機関との連携を図り、その中核機関として活動しています。
◆難病ケアシステムの拡充:在宅療養促進のため、患者様やご家族様に対し生活全般の指導を行っています。
◆訪問診療・訪問看護への取り組み:医師・看護師が在宅医療を積極的に行っています。
◆発達障害児療育システムの強化:リハビリと療育指導室が連携し、障害児・母親に対して遊戯指導・療育指導・機能訓練を行っています。
◆保健、医療及び福祉機関に従事する人材の育成:在宅介護者向け公開講座を行っています。
◆重症心身障害児(者)通所事業の実施:通所事業を月~金まで毎日実施しており、年間延べ1,200人の受け入れを行い在宅重症心身障害(者)の福祉の増進に寄与しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 68 3.35 3.34 2.94 72.10
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 64 10.30 9.59 0.00 70.02
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病あり 59 17.59 16.87 8.47 71.19
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 52 25.85 18.84 3.85 70.40
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり 38 20.03 20.04 0.00 73.21
呼吸器内科は、肺癌、結核、間質性肺炎、呼吸不全を中心に呼吸器疾患及びアレルギー疾患全般にわたる診療を行っています。
肺癌は、放射線科、呼吸器外科、病理診断医と連携し、迅速な診断を心がけ、適切な治療を行うように努力しています。また、治療が困難となった時には、緩和ケアチームと連携して患者様・ご家族様の希望に沿いながら緩和治療を行っています。
結核は、鹿児島県の最終拠点病院の役割を担っており、喀痰塗抹陽性の活動性肺結核、粟粒結核等の肺外結核も受け入れています。
また、肺気腫、結核後遺症、間質性肺炎等の慢性呼吸器不全に対する在宅酸素療法や呼吸リハビリにも積極的に取り組んでいます。その他、肺炎、喘息、びまん性肺疾患等、数多くの診療実績があります。
特殊検査としては、気管支鏡検査、超音波気管支鏡ガイド下リンパ節針生検(EBUS-TBNA)、ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を用いた生検も行っており、診断精度を高めています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010310xx99x0xx 脳の障害(その他) 手術なし 手術・処置等2なし 185 9.60 10.26 0.54 2.41
150120xx99x1xx 脳性麻痺 手術なし 手術・処置等2あり 148 7.43 8.95 0.00 4.40
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 57 6.53 6.19 1.75 4.89
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 36 4.64 7.10 0.00 7.17
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 5.58 5.69 0.00 3.64
小児科は、一般小児科診療、小児神経疾患の診療、重症心身障害児者病棟入院患者様の診療の3つの柱を中心に行っています。当院の特色として、歴代の小児科が重症心身障害児者の診療と神経疾患の子ども達のリハビリを担ってきた経緯もあり、医師、リハビリ療法士、看護師、児童指導員、保育士、臨床心理士、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、医療ソーシャルワーカーが協力をして、日々の診療にあたり、チーム医療を実践しています。
小児外来は専門外来を中心に行っています。小児神経発達外来、小児腎臓専門外来、小児アレルギー外来を開設しており、その他、専門医の先生方に応援を頂きながら小児循環器外来(月1回)、小児外科外来(週1回)、小児整形外科外来(月2回)、児童精神科外来(週1回)、さらに障害児歯科の往診等、より充実した診療に努めています。
一般小児科の入院病床では呼吸器感染症、感染性胃腸炎、痙攣疾患、アレルギー疾患、ネフローゼ症候群、腎炎等の患者様を診療しています。
一般小児科病床以外に小児リハビリ目的の病床(20床)も準備しており、入院しながら集中的なリハビリを行うためのベッドを確保しています。ボイタ法、CI療法(Constraint induced movement therapy)、ボバース療法等を取り入れてリハビリにあたっています。基礎疾患は脳性麻痺、精神運動発達遅滞、神経筋疾患、脊髄髄膜瘤、急性脳症後遺症、髄膜炎後遺症等の子ども達を受け入れて集中的なリハビリが出来るように工夫しています。入院中にてんかんの治療、摂食嚥下機能障害の評価や治療、CT・MRI等の画像評価、脳波・ABR・VEP等の神経生理学的検査も随時行っています。また、災害等の緊急事態の際に医療的ケアが必要なお子様の受け入れ態勢も整備しているところです。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 96 14.39 11.51 2.08 71.18
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 8.87 10.18 0.00 40.80
060050xx97x40x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし - - 17.81 - -
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 9.26 - -
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 31.04 - -
呼吸器外科は、鹿児島県内唯一の結核外科手術が可能な施設、鹿児島県に3施設しかない呼吸器外科専門医合同委員会基幹施設として、呼吸器外科領域の手術を中心に診療を行っています。具体的には原発性肺癌、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、気胸、縦隔腫瘍、膿胸、肺非結核性抗酸菌症、結核等です。
肺癌の治療については、呼吸器内科、放射線科と協働し、術前導入放射線化学療法(あるいは導入化学療法)、術後化学療法等を積極的に行っています。
内視鏡外科手術システムが完備されており、胸腔鏡下の手術にも取り組んでいます。院内で術中迅速細胞診・組織診や細菌検査等が可能なため、術前診断がついていない場合でも最善の術式を選択出来ます。
また、近隣施設から依頼された放射線治療入院患者様、肝動脈注入法を必要とする患者様の入院管理も行っています。
患者数10人未満はー(ハイフン)表示となっています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 14.62 - -
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 副傷病なし - - 15.90 - -
010090xxxxx00x 多発性硬化症 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 14.46 - -
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 17.72 - -
010130xx99x4xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等24あり - - 17.16 - -
脳神経内科は、神経・筋疾患、神経難病の鹿児島県及び地域での基幹病院としての役割を担っています。
外来診療は神経難病を中心とした診療を行っています。近隣に神経内科常勤を有する医療機関がないため、紹介患者が多く、地域医療に貢献しています。
在宅診療は気管切開をされ、24時間人工呼吸器装着の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者様、パーキンソン病等の神経変性疾患でベッドから移動することが出来ないが在宅療養を希望される患者様に対して様々な工夫をしながらQOL維持のため日々取り組んでいます。
入院診療は筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病等の神経難病の他、脳血管障害等の急性期疾患患者様の入院も多くみられます。入院期間が長期にわたる例が少なくないのですが、可能な限り治療が必要な患者様を受け入れることが出来るように病棟回診の際に毎回、医師、看護師、リハビリ療法士、栄養士、医療ソーシャルワーカーの各職種との症例検討会を行い、病状、治療方針、問題点、今後の方針等の意見交換、調整を行っています。
以前は筋ジストロジロィー病棟へ入院すると終生病棟生活であることがほとんどでしたが、全介助の筋ジストロジロィー患者様の中にも社会生活で頑張ろうとする方もいらっしゃり、療養介護病棟の存在意義も変化しています。以前は受け入れていなかった疾患の患者様も受け入れるようになり、神経内科スタッフも病棟や在宅診療スタッフと協力して退院希望の患者様と話し合いながら希望を叶えていく努力をしています。また、在宅診療を実践している患者様に対しては訪問診療を行い、療養形態を継続出来るよう支援しています。
患者数10人未満のため、表ではー(ハイフン)表示となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 - - - - - - 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 70 16 51 150 17 185 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
◆『5大がん』と呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。
◆UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められたTNM記号による病期分類です。
 ①T(tumor)→原発巣の大きさと進展度を表す。T1~T4までの4段階に分けられています。
 ②N(nodes)→所属リンパ節への転移状況を表す。転移のないものをN0とし、第一次リンパ節、第二次リンパ節への転移、周囲への浸潤の有無からN3までの段階に分けられています。
 ③M(metastasis)→遠隔転移の有無を表す。遠隔転移がなければM0、あればM1となります。
 この3記号を指標として、各がんの進行度をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
◆『初発』とは、当院において、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
◆『再発』とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診察した場合や、治療がん寛解後に、局所再発・再燃または新な遠隔転移をきたした場合を指します。
患者数10人未満はー(ハイフン)表示となっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 10.80 52.05
中等症 61 18.93 68.89
重症 15 22.93 80.60
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の日常生活を送っている中で発症した肺炎のことであり、病院内で発症した肺炎は含みません。
重症度は年齢や身体所見による肺炎の重症度分類(A-DROPシステム)により分類しており、数字(スコア)が大きいほど、より重症になっていきます。
患者数10人未満は-(ハイフン)表示となっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- - - - -
当院では、該当する患者様が少なく、指標に計上する数値に達しておりませんので、-(ハイフン)表示となっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 49 2.06 9.88 2.04 69.18
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 21 2.05 10.24 0.00 76.43
K5131 胸腔鏡下肺切除(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 17 2.65 5.82 0.00 43.24
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 10 1.90 9.10 0.00 71.40
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 10 2.20 12.10 0.00 72.10
肺癌に対する標準手術(肺葉切除術、リンパ節郭清)を中心に行っておりますが、症例の大半は低侵襲手術の胸腔鏡下肺切除術、リンパ節郭清を施行しています。
◆『低侵襲手術』とは、患者様の体に対する負担(侵襲)を減らした体に優しい手術です。内視鏡(胸腔鏡、腹腔鏡、消化管内視鏡、関節鏡等)や特殊な器具等を使用し治療を行います。内視鏡下手術は、従来の手術と比べて、極端に小さな切開創から行う手術です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
当院では、手術等を行う際に合併症を起こさないよう細心の注意を払っており、発生率は1%未満です。手術等で起こり得る合併症については、事前に説明を行った上で、手術の施行に同意をいただくようにしています.患者数10未満は-(ハイフン)表示となっています。
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